『アサシン クリード』シリーズ史上最も衝撃的な展開の一つがAC3序盤で起こる。プレイヤーはヘイザム・ケンウェイのグループが実はアササンではなくテンプル騎士団だったこと気付くのだ。この瞬間まで、ヘイザムは完璧な主人公役を演じていた——エツィオのようなカリスマ性を見せ、先住民を刑務所から解放し、傲慢な英兵士と対決してきた。「理解の父が我らを導かんことを」という象徴的な台詞は腹にぐさりと突き刺さり、これまでの全ての認識を覆す。

この見事なストーリーテリングは『アサシン クリード』の真髄を示している。初代では魅力的な暗殺ゲームプレイが導入されたが標的の掘り下げが不十分だった。AC2では忘れがたいエツィオの旅が描かれたが、同等に興味深い敵役の開発には失敗した。AC3でようやくユービーアイソフトは狩る側と狩られる側の完璧な対称性を実現——主役同様にニュアンス豊かな悪役を創造したのだ。

近年のRPG作品は称賛されているが、多くの長年のファンはシリーズが道を見失ったと主張する。神々との戦いなど幻想的要素が強すぎると批判する声もあれば、ヤスクェのような史実人物の扱いについて議論も起こっている。しかし私にとって真の衰退は、キャラクター駆動型の物語が肥大化したオープンワールドに埋もれ始めた時点だった。

RPGメカニクス——会話選択、スキルツリー、コスチューム——への移行はストーリーテリングを犠牲にした。ACオデッセイはAC2よりコンテンツ量が多いが、以前の作品の焦点の定まった物語に比べ空虚に感じる部分が多い。主人公たちは特に被害を受け、分岐する会話パスに薄められ、エツィオやヘイザムのような緻密なキャラクター開発がなされなくなった。

これをAC3の忘れがたいシーン——ヘイザムがコナーに語る最後の悲痛な言葉——と比べてほしい:

「頬を撫でて間違いだったと謝るつもりはない...ある意味誇りに思っている。お前は強い信念を示した。力。勇気。全て尊い資質だ。とっくに殺すべきだった」

シリーズの道徳的曖昧さも損なわれた。初期作品ではアササンとテンプルの境界線が見事に曖昧にされていた——特にAC3では、死に際のテンプルがコナー（とプレイヤー）に痛烈な真実を突きつける。ウィリアム・ジョンソンがテンプルこそが先住民虐殺を防げると主張する場面。トーマス・ヒッキーがアサシンの理想に疑問を投げかける場面。ワシントンの裏切りでさえ、ヘイザムの革命の偽善についての警告を補強する。

結局、「エツィオの家族」の根強い人気が物語る——これは単なるBGMではなく、シリーズを定義した個人的な旅路を象徴するものだった。現代作品の技術的功績は評価しつつも、『アサシン クリード』が無限のコンテンツより密度の高い物語を優先した時代を懐かしく思う。残念ながら、今日のライブサービス志向のゲーム業界では、こうした物語重視の姿勢はますます稀になってしまった。